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クランク角センサー2012年10月30日

ある日突然エンジンが掛からなくなる、あるいは走行中にエンジンが止まる。そんなこと起きてほしくないが、現実には時々そういうこともある。今日は、2ndレンジローバー(後期型)とディスカバリー・シリーズ2の代表的な事例を紹介しよう。

DSC_3841電子制御燃料噴射装置、通称EFIは、エンジンのあらゆる情報を元に噴射タイミングや噴射量、または点火タイミングをコントロールしている。あらゆる情報の「元」ともいうべき大切な情報はエンジンの回転信号、一般的にはクランクの回転を感知している「クランク角センサー」がその役割を担っている。
例えば、イグニションスイッチをONしてスターターを回す。するとクランク角センサーから、「エンジンが回り始めたぞ!」という信号がコンピューターに送られる。すると、「それなら、これぐらい燃料を噴射して、ここで点火して・・」という具合に次の動作が始まりエンジンは回転しはじめる。
つまり、クランク角センサーが壊れてしまういうとエンジンは掛からない。ちなみに、その状態でテスターを繋いで診断をしても、エラーは何も表示されない。エンジンのコンピューターはエンジンが回り始めたと思っていないだけで、故障だという認識がないからだ。
仮に、走行中にクランク角センサーが壊れた場合には「回転信号がなくなった」という意味のフォルトを記憶する。しかし、どういうわけだか後者のケースは少なく、突然エンジンが掛からなくなることのほうが多い。

このEFIのシステムはランドローバーに限らず、私が知る範囲のほとんどのガソリンエンジンに共通しているもの。最近、ちょうどそういう時期にさしかかっているのか、2ndレンジローバーの後期型とディスカバリー・シリーズ2に同様のトラブルが数件続いた。
ただ、エンジンが掛からないといってヤマカンでクランク角センサーを交換するのは非常に危険。きちんとテスターで診断し、回転信号が届いていないという裏づけをとる必要がある。

ボールジョイントのダストブーツの亀裂・損傷2012年10月16日

四駆(よんく)というカテゴリーの、原型のひとつでもあるディスカバリー・シリーズ1。そのディテールの多くを残したままフルモデルチェンジを果たしたディスカバリー・シリーズ2は、その程よい無骨さが未だに人気である。
今日もレイブリックではディスカバリー・シリーズ2の納車に向けた整備が進んでいる。構造的には、ディスカバリー・シリーズ1と2ndレンジローバーの中間に位置する感じだろうか。
IMG_5411写真はフロントアクスルのナックル・ボールジョイントを交換し終わったところ。この作業は2ndレンジローバーのそれと非常に良く似ている。キングピンアングルが2ndレンジローバーとは異なり、ボールジョイントを脱着するための専用工具がコイルスプリングに当たってしまう。そのため、そのぶん作業は困難になる。
それは別として、このボールジョイントにガタがあったりブーツが破れていると、当然だが車検に通らない。「ボールジョイントのダストブーツの亀裂・損傷」という点検整備項目をクリアできないのだ。一般的にはサスペンションやステアリング系統のボールジョイントの脱着には、「プーラー」や「ボールジョイント・セパレーター」と呼ばれる汎用工具を使うのだが、ディスカバリー・シリーズ2や2ndレンジローバーの場合には、そのような汎用工具で作業ができた例を我々は知らない。
例えば、専用工具を持っていない整備工場でこれらのランドローバーの車検を行った場合、そしてボールジョイントにダストブーツに亀裂が確認された場合、きちんと交換されているのかどうか?ハッキリ言ってしまえばとても疑問である。更に言ってしまえば、見逃しているとしか思えないクルマも多々見受けられる・・。
ワイパーゴムやエアフィルター、スパークプラグなど、全国どこの整備工場でも交換可能なパーツもあれば、このボールジョイントのようにランドローバーに対する特定の工具が必要になる場合もある。

ボールジョイントに拘った前置きになったが、今回のディスカバリー・シリーズ2(2004年モデル・走行45,000km)の納車整備の主な交換パーツは以下のとおり。


《消耗品関係》
・スパークプラグ(8本)
・フロントワイパーブレード(2本)
・リヤワイパーブレード
・エアーエレメント
・エンジンオイル
・オイルフィルター
・ATF
・デファレンシャルオイル
・ドレンボルト(2個)
・トランスファオイル
・クーラント
・ブレーキフルード

《エンジン水廻り関係》
・スロットルヒーター

《足回り関係》
・ナックルボールジョイント/アッパ(2個)
・ナックルボールジョイント/ロワ(2個)
・ドライブシャフトオイルシール(2個)


この車両は今年の1月に車検を受け、その後およそ6,000km走行した状態。車検整備後6,000kmならもしかしたらまだそれほど重い整備は必要ないのかもしれない。しかし、我々はそこに先入観は持たないようにしている。とにかく前から後まで、上から下まで点検をする。その結果、発見された不具合箇所の調整や修理をし、消耗品を含めて必要なパーツ交換をする。

完成までもうひといき!