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スタブアクスルオイルシール2010年11月7日

CA3H0903ラダーフレームにリジッドアクスル、この古典的な構造を見ると一種の安心感を覚える。ランドローバーでは、クラシック・レンジローバー、ディフェンダー、ディスカバリー・シリーズ1などがそれにあたる。
「安心」の意味は「メンテナンスフリー」とか「壊れない」ということではなく、的確なメンテナスや修理を行いやすいということ。写真は、オートクラフトで中古車のクラシックレンジローバーの納車整備を行っている様子。リヤのブレーキ周りを点検したいたところ、ブレーキディスクの裏側がグリスとオイルでベタベタに濡れていることに気がついた。アクスルハウジング内にはデファレンシャルが、ハブベアリングにはグリスが詰められている。その間はスタブアクスル・オイルシールで仕切られている。そのシールが悪くなると、ギヤオイルがハブベアリングに回り込み、グリスはオイルで流れはじめる。それがブレーキディスクに飛び散る。
文字で表現するとわけが分からないが、とにかく、各パートごとに部品単位が分かれているので、悪い部分だけのパーツ交換が可能であり、最適なメンテナンスが可能にあるわけだ。
いちいち部品は重いし、ボルトはしっかり締め付けられている。我々整備業者はリフトやインパクトレンチに助けられるが、この頃のランドローバーを所有されているファンの中には、このあたりの整備をガレージでご自身の手で行っている方も少なくないだろう。リフレッシュの満足度がかなり高い部分である。

今回の交換部品は、主原因であるスタブアクスル・オイルシール、ハブシール、オイルでベタベタになったブレーキパッド、ブレーキディスク。ブレッキパッドとディスクは、残量としては交換するには少し早いかな?と思えるレベルだが、せっかく分解したのだから、この際気持ちよく新品を使うことにした。

ブレーキパッド残量センサー2010年10月19日

CA3H0786これが何だか、分かりづらくて申しわけないが、ディスカバリー3のフロントのオーバーフェンダーとフェンダーライナーを取り外した、つまりフェンダーの内側である。ここにブレーキパッドの残量センサーのコネクターがある。

ブレーキパッド残量センサーはブレーキパッドに取り付けられている。パッドの残量が一定の量まで減るとパッドに仕込まれたセンサーも共に削り、インジケーターを点灯させるという仕組み。削れてしまったセンサーはパッドと共に交換する必要がある。それが今回の作業。つまり、パッドをギリギリまで使い切る少し手前で交換すればセンサーを交換しなくても良い場合がある。パッドを使い切るeco、あるいはセンサーを繰り返し使うeco、この判断は難しいかも・・。
まあ、しかし、2.5tonのクルマが止まるという重責を担うブレーキだけに、早めにメンテナンスをするにこしたことはない。我々は、例えばオイル交換などで入庫していただいた際には、その目的以外の部分も簡単ではあるが目視点検を行うように心がけている。クルマは人の身体とちがって自然治癒力がないだけに、全てにおいて早期発見が重要になる。

イグニション・スイッチ2010年5月18日

CA392746クラシック・レンジローバーのユーザーさんから、走行中にエンジンが止まると連絡をいただいた。エンジンを掛けなおすと、うまく掛かるときとそうでないときがある。うまく掛かった場合でも、またじきに止まってしまう。あるときは、止まったかと思うと復活する場合もある。
エンジンが掛かっているうちになんとかレイブリクまでたどり着いた。イグニションキーを回してみると、既に違和感が・・。ステアリングコラムカバーを取り外したところで不具合を発見。イグニション・スイッチが分解寸前のギリギリの状態。樹脂部分のとアルミのカバーとがカシメられて固定されているのだが、そのカシメが弱って接点がうまく接触していなかったことが原因である。
接触不良を繰り返してきただけに接点も傷んでおり、今回は念のために新品交換をした。
(写真は取り外す際にとうとうバラバラになってしまったスイッチ)

ペダルゴム2010年5月2日

CA392663ランドローバーに限らず、ブレーキやクラッチのペダルゴムは、意外に重要なパーツなのである。
教習所では、アクセルからブレーキへの踏み替えはきちんと踵を上げて行うように指導されたが、実際のところ、踵を軸にしてペダル操作を行うドライバーが多い。そうすると、ブレーキペダルの右側だけが極端に磨り減り、場合によっては金属製の土台部分がむき出しになったりする。こうなると例えば、雨の日に濡れた靴で運転をした際にペダルから足が滑って踏み外す恐れがある。これはとても危険なことだ。ブレーキを踏み外す=事故に直結するからだ。

CA392665そんなわけで、ペダルゴムは消耗品として、定期的に交換する必要がある。
いくら靴を履いていても、ペダルゴムを交換すると、そのシッカリ感が想像以上に伝わってくるもの。その感覚はそのまま安心感に繋がる。もちろん、実際に安全なのは間違いない。
梅雨に突入する前にみなさんも今一度点検を!

リヤゲートハンドル2010年4月26日

クラシック・レンジローバーのリヤゲートは至るところに弱点がある。アッパーゲートの錆、ウェザーストリップの劣化による雨漏れ、そして、ハンドルの操作機構。
ハンドルの外側からは鍵穴がある。鍵穴にキーをさし込んで回転させると、3つのポジションがある。集中ロックと連動させるポジション、連動させないポジション、とにかく解除するポジションの3つ。つまり、鍵を差し込んで回せば、機械的に開く構造になっている。しかし、内部の樹脂製のシリンダーが割れてしまうと回転しなくなる。その場合は集中ロックでのみ施錠開錠の操作が可能になる。

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逆に、ある部分が折れると集中ロックとの連動が効かなくなる。それが今回の症状。写真はハンドルをゲートから取り外して裏側から見たところ。真ん中の黒いロッドの回りに金属製のパーツが付いており、その両端には長い爪がある。写真のパーツの場合、向かって右側の爪が折れている。集中ロックのソレノイドバルブの動きを伝達させるためのもので、これがないと集中ロックでは施錠開錠させられなくなる。
ドライバーは、リヤゲートを開けるためには、キーを持っていく必要があり、意外に面倒だったりする。

CA392643ハンドルを分解すると、原因になっているパーツはたったこれだけの小さなもの。これだけのために交換のパーツ単位はハンドルASSYになるわけで、価格的にはおよそ2万5千円ほど。なんとか、これをローコストで出来ないものかと、このパーツを見るたびに思う。

クラシック・レンジローバーをクラシック・カーとして後世に残していくための課題は年々増えていく。手間も掛からず、誰でも無理なく乗れるクラシック・カーなど存在しない。それを解決していくことがクラシック・カーを維持することの楽しみであり、共存する歓びでもある。それをサポートするのが我々プロショップの務めだが、一緒に楽しみたいと思うのも正直な気持ちである。