レンジローバー・ヴェラールは、2017年にレンジローバー・スポーツとイヴォークの中間を埋める新たなモデルとして誕生しました。ブランドの歴史において比較的新しい存在でありながら、デザイン性、快適性、技術力すべての面において高水準を誇る完成度の高さで、瞬く間にレンジローバーラインナップの中核を担うモデルとなっています。

「ヴェラール（Velar）」という名は、1960年代に開発されていた初代レンジローバーのプロトタイプに用いられていたコードネームに由来しており、ブランドのルーツを継承しながらも、未来に向けて進むという姿勢が込められています。その精神を体現するかのように、ヴェラールのデザインは極めてモダンかつミニマル。凹凸を排した滑らかなボディサイド、 flush型の自動格納式ドアハンドル、シャープに引き締まったLEDヘッドライトなど、細部に至るまで一貫した美意識が貫かれています。

ボディサイズは全長約4.8メートル。ミドルサイズながら存在感は強く、都市と自然、オンとオフ、あらゆるシーンにしなやかに溶け込みます。水平基調のシルエットは、SUVでありながらクーペのような流麗さを備えており、他のレンジローバーモデルと一線を画す洗練された佇まいを演出しています。

インテリアは、まさに“現代的ラグジュアリー”という言葉がふさわしい空間。レザーやウッドに加え、サステナブルなファブリック素材も用意され、素材選びの自由度と審美性が両立されています。ダブルタッチスクリーンによるインフォテインメントシステム「Pivi Pro」は、情報表示と操作系を分離し、直感的かつ洗練されたユーザー体験を提供。物理ボタンを極限まで排したインテリアデザインは、まるで一つのアート作品のような統一感を持っています。

走行性能は、快適性と安定性を重視したグランドツーリング志向のチューニング。長距離ドライブでも疲れにくい滑らかな乗り心地と、適度なハンドリングレスポンスのバランスが取られています。

もちろん、レンジローバーの名にふさわしく、電子制御エアサスペンションやテレインレスポンス2など、本格的な走破性能も備えています。舗装路では上質なラグジュアリーカーとして、オフロードでは確かな足取りで進むSUVとして、場面に応じて自在に姿を変える多面性が特徴です。

ヴェラールは、SUVでありながらデザインとテクノロジーを軸に新しいラグジュアリーのあり方を提案する存在です。既存のSUVに飽きた人、機能と感性をどちらも大切にしたい人にとって、選ぶことそのものが美意識の表現となるようなモデルに仕上がっています。