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完成。2013年8月1日

クラシック・レンジローバー

そもそもこの商品を作ろうと思ったのは2010年のことだった。
クルマを替えたと思ってそれに匹敵するほどのコストを投じ、ボディーや機関部分をトータルでリフレッシュする、そんなクラシック・レンジローバーのオーナーさまが現れたことがきっかけだった。クォーターガラスのウェザーストリップなど、当時既に供給終了になっていたパーツもあった。今回作ったサイドプロテクションモールもそうだった。ただ、このモールはかろうじて再使用が可能。両面テープで貼られているのでそれを丁寧に剥がし、古い両面テープから新しいものに貼りなおす。実際にはそれだけに一日仕事なのだが・・。
ラバー製のサイドプロテクションモールには、真ん中にメッキ部分が入っている。そこが経年で変色して黒ずんでくる。全塗装をしてボディーがツヤツヤになると、変色したメッキがとても気になる。そこで、キッチンテープのような材料でメッキ部分を再生したり、シルバーで塗装したり、様々な方法を試しながらなんとかリユースをして凌いできた。

サイドプロテクションモール、新たに作ろうかこのままリユースを繰り返していこうか、数年間迷い続けてきたのだが、この春ようやく決心がついた。私自身もそうだが、数年前と比べてクラシック・レンジローバーを大切に考えるオーナーさまが明らかに増えてきたからだ。
製造工場と何度も打ち合わせをし、試作を繰り返すことおよそ四ヶ月。ようやく製品と呼べるものが出来上がった。試作を繰り返す過程では、私が妥協した部分を工場サイドが「いや、ここはこういうふうにしましょう!」と提案してくださったり、またその逆で、私が工場側に難題を要求したり。
高みを望めばつまりコストに反映し、製品の価格が上がってしまう。言葉は悪いが正直に言ってしまうと、製品の評価と妥協点とのバランスを探ることが大きな課題だった。自動車メーカーが何千台分何万台分という規模で製作するパーツとはきっとあらゆる概念が違うだろう。大量生産ができないことのデメリットと小ロットならでの融通性、そのバランスでもある。

出来上がったことで達成感はあるが、実際はまだ通過点。これからこの商品を選んでくださるクラシック・レンジローバーのオーナーさまに満足していただけて初めて本当の意味の完成である。