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2010.02.28

ランドローバーのメンテナンス

水とりぞうさん

 

円筒形のパーツがエアサスペンションの構成パーツのひとつであるエア・ドライヤーだ。名のごとく、乾燥装置である。
コンプレッサーで汲まれた圧縮空気は、このドライヤー通って湿気を除去された後に各回路内を巡る。ドライヤーはメーカーとしては消耗品扱いでない。ワークショップマニュアルにもそう記載されている。しかし、現実には交換することが稀にある。乾燥剤の粉がバルブブロックの回路内に回り、それが原因で、バルブブロックの正常な作動を妨げているケースがあるのだ。確かではないが、レイブリックではそう推測している。バルブブロックをオーバーホールすると、酷いものでは、目に見えるほどの白い粉が堆積しているのだ。また、バルブブロック以外にもそんな箇所が見受けられることもある。成分を調べたわけではないが、白い粉が出そうな部位はここしかない。
エアの吸入経路は、フィルター→コンプレッサー→ドライヤー→リザーバータンク→・・・、という具合なので、ドライヤーから飛び散った粉はフィルターを通さずにエア回路内各部に届いてしまうのだ。

 

これは全ての2ndレンジローバーに起こる現象ではない。何故だかマイナーチェンジ前、それも初期に近いものほどその傾向は少なくなる。製造過程のどこかの段階で何かが変わったのだろうか。確率的には後期型に多く見受けられる。
そんなわけで、レイブリックではマイナーチェンジ前の2ndレンジローバーで、例えば不運にも事故によって廃車になるようなクルマがあった場合には、すかさずドライヤーを取り外して大切に保管してある。
そして、中古車として人気のある後期型2ndレンジローバーの納車整備の際、怪しい粉を見つけたときに交換する。確信があるわけではないが、これによって今後のトラブルから回避できる可能性はある。レイブリックの中古車のクォリティーが1%でも向上するなら、たったこれだけの作業を惜しむ必要はない。

 

 

ドライヤーを振ってみると、カサカサと音がする。中はどうなっているのだろう?そして分解。ドライヤーの内部には、乾燥剤として白いペレットが詰められていた。乾燥剤、白い粒、どこかで見たことがある。そう、「水とりぞうさん」。押入れの中の湿気とりだ。プラスチックの透明容器の上半分にペレットが入っていて、下半分に水が貯まるアレだ。2ndレンジローバーのエアドライヤーも吸入空気中の水分を吸収する。では、その水はどこにいくのだろう?実は、排気されるエアはドライヤーを逆流する方向に通過するのだ。その勢いで排気と一緒に大気に吹き返されるという荒業なのである。従って、水とりぞうさんのような貯水タンクは無い。

 

さあ、ここからは独り言なので聞き流してほしい。決して安易に試さないように!
もし、レンジローバーのドライヤーに詰められているペレットが水とりぞうさんのアレと同じ成分(塩化カルシウムかな?)なら、そして粉が飛び散らないしっかりしたペレットなら、果たして流用できないものかと。ドライヤーの価格はおよそ15,000円。水とりぞうさんは3個入りで2~300円。コストパフォーマンスは100倍以上!魅力的である。
独り言、ヒトリゴト。

聞き流していただいたところで曲にしよう。
最近、レイブリック内では「マイ箸」が普及しつつある。これまで毎日、弁当を食べるときに割り箸を使い続けてきた。今はそんな時代ではない。今夜は中島みゆきさんの「割り箸」にちなんだ曲を。
別れた彼と向かい合ってぎこちなく蕎麦を食べるシーンをシリアスに歌い上げた”みゆき節”である。
中島みゆきさんで、「蕎麦屋」。

 

[記事執筆 加藤雅俊(レイブリック創業者)]

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